おはなし夢くらぶのメンバーが、毎月ご紹介する「とっておきの絵本」コーナーです!
2020年9月 スーのとっておきの絵本
「おじさんのかさ」
作・絵: 佐野 洋子
出版社: 講談社
おじさんはとっても立派なかさをもっていましたが、立派すぎて使いませんでした。ある日子どもたちがかさにかかる雨音を楽しんでいるのを見て自分のかさを開いてみました。はじめて味わう雨音の楽しさとかさの役割に気づきます。もしかしたらかさにかかる雨音はかさの喜びの歌でしょうか?
「100万回生きたねこ」
作・絵: 佐野 洋子
出版社: 講談社
100万人に可愛がられても、死んだ時に悲しまれても、そのたびに生き返ったねこがいました。ある時のらねこになり、初めて自分が愛する伴侶を得ました。よりそって生き、こねこを育て共に死んでいきましたが、もうけっして生き返りませんでした。生とはどういうことか、死とはどういうことかを深く考えさせてくれます。少し哲学的なことですが、やさしい言葉で語られる絵本は子どもの心に深くきざみ込まれると思います。
「インディアンの男の子、
リトル ムーン」
ヴィンフリ-ド・ヴォルフ
ほるぷ出版
リトル ムーン、小さな月という意味のインディアンの男の子が両親と自分の部族を探す旅に出ます。途中、森の中で年老いたおばさんに出会い、寒くきびしい冬をいっしょに過ごします。春が近づいた頃、歌うツバメという名前をもつそのおばあさんは、人を大切にする気持があるかぎり、きっと両親となかまを見つけることができるだろうと歌い終わって息絶えます。リトルムーンはまた旅を続ける勇気がわいてきます。
日本の子どもたちになじみの薄いインディアンの世界をかいまのぞいて欲しいと思ってこの一冊を選びました。インディアンの名前のつけ方も面白いですね?
「もうどうけん ふりふりとまり 」
セア まり /作, はまの ゆか /絵
出版社: 幻冬舎エデュケーション
ぼくはふりふりという名前のもうどうけん。もうどうけんってのは、目の不自由な人を助ける犬だ。ラブラドールレトリバーという種類で2007年にまりのパートナーになった。ぼくといっしょだと安心して風を切って歩くことができる。海で泳ぐこともできるよ。ふたりはとっても信じあっているんだ。
「そっといちどだけ」
作: なりゆき わかこ
絵: いりやま さとし
出版社: ポプラ社
もうどうけんのステラは交通事故で目が不自由になったあかねさんを守ります。でも長年いっしょに歩いたあかねさんとの別れの日がきます。歳をとってあかねさんを守ることができなくなりました。お別れをする二人の心が読者の胸をつまらせ涙をさそいます。
☆★☆☆★☆盲導犬についての二冊を選んだ理由を付記します。☆★☆☆★☆
富士山麓、朝霧高原にかわいらしい平屋の建物があります。
富士ハーネスという盲導犬訓練施設であり、引退後の余生を過ごす所でもあります。
ステラもここで余生を送ったのでしょうね。私は高原で夏を過ごす度にここを訪れます。
都心からでも日帰りのドライブ旅行ができます。ぜひ一度訪ねてみて下さい。
盲導犬を身近に感じていただきたいと思います。